狭心症の症状

狭心症とは、冠動脈への血流が滞ることなどによって心筋へ十分な酸素が届かず、心臓の動きが鈍くなった状態をいいます。
胸の中央部分、左肩、下あご、みぞおちなどが締め付けられるような圧迫痛を伴いますが、これたの症状は数分から10分程度で治まり、その後は通常の健康な状態と同じになります。
階段を昇ったり、極度の緊張時に発作が起こる「労作性狭心症」と、早朝や夜間などに発作が起きる「安静時(異型)狭心症」とがありますが、大半は労作性狭心症となっています。

狭心症の原因

労作性狭心症の場合、冠動脈の動脈硬化が発症原因となります。
動脈硬化によって血管内腔が狭くなっているところへ運動や緊張などによって心筋が大量の酸素を必要とし、それに十分対応できる血流量が冠動脈から得られないことで発症します。

安静時(異型)狭心症の場合、冠動脈に一過性のけいれんが起こり、血管が収縮して内腔が狭くなって血流が滞るために発症します。

狭心症の治療法

狭心症治療の主な目的は発作が再び起こらないようにすることですので、狭心症の大きな要因である高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙などの生活習慣から改善する必要があります。また、それに併せて薬物による治療も行われます。
再度発作が起きたときの対処法として、ニトログリセリンなどの即効性硝酸薬の舌下錠を常時持ち歩くようにします。これは、冠動脈を拡張させる作用がある薬です。舌の裏に含んで唾液で溶かし、粘膜から血液に成分を吸収させるものです。
その他にも、胸の皮膚から吸収させる湿布のように貼る種類の貼付薬もあります。

発作予防策としては、持続性硝酸薬のほかに、労作性狭心症には心臓の動きを抑えて心筋の酸素需要を減らす作用のあるβ-遮断薬、安静時(異型)狭心症には冠動脈を拡張させる作用のあるカルシウム拮抗薬などを内服します。
また、血栓形成予防のために抗血小板薬が用いられます。
進行した動脈硬化がみられる症例では、先端にバルーンのついたカテーテルを動脈内に通し、冠動脈の狭窄部分でバルーンを膨らませて内腔を広げる経皮的冠動脈形成術(PTCA)や、同じ手法で開通させた後にステントという金属製でコイル状の筒を植え込んで、血管内を拡張させる経皮的冠動脈ステント植え込み術が行われます。
その他にも、狭窄部分を削り取る方向性冠動脈アテローム切除術(DCA)や、高速回転式アテローム切除術(ロータブレータ)、狭窄部分に胸などの動脈の一部を使ってバイパスをつくる冠動脈バイパス術が行われる場合もあります。

 

 


キャッシュ使用
病気情報を検索することができます。「頭痛 吐き気」などのように、現在の症状を入力することでも検索ができます。このほか、病名などでも検索可能です。検索結果はこの下に表示されます。

病気診断.netカテゴリー