概要
『身体表現性障害』は以前使われた広い診断名で、現在の診断名へ一対一で置き換わるものではありません。身体症状症では、痛みや疲れ、息苦しさなどの身体症状に強い苦痛があり、症状や健康への考え・不安・行動が生活に大きく影響します。症状の原因となる身体疾患がある場合もあります。一方、病気不安症では重い病気への強い不安が中心で、身体症状は目立たないか軽いことが一般的です。症状は本人にとって現実の苦痛であり、『気のせい』や『思い込み』と決めつけてはいけません。新しい症状や変化がある場合は身体疾患の評価も必要です。
原因
身体症状と健康への心配には、身体の病気、これまでの経験、ストレスや不安、症状への注意の向き方など複数の要因が関わり得ます。検査で説明できる原因が見つからないことだけで精神疾患とは診断できません。症状や生活への影響を聞き、必要な身体診察・検査を行ったうえで、医療者が総合的に評価します。『神経質な性格』や養育環境だけを原因とすることはできません。
治療法
まず本人の症状を具体的に受け止め、継続して相談できる医療者と身体面・心理面の両方を評価します。必要な身体疾患の治療を行いながら、症状や不安への対処、日常生活の回復を目標に支援します。認知行動療法などの心理療法を相談でき、うつや不安が強い場合は薬の適否も検討されます。検査を繰り返すかどうかは症状の変化と診察結果に基づいて判断します。新たな強い症状を『精神的なもの』として放置しないでください。
旧称と現在の診断名を区別
旧・身体表現性障害は一つの新病名にそのまま置き換わりません。身体症状症と病気不安症では評価する症状が異なります。
身体の病気も確認しながら相談
症状に新しい変化があれば診察を受けます。医師と必要な検査・継続的な支援を相談してください。