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アルポート症候群

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概要

アルポート症候群は、腎臓の糸球体のろ過膜を支えるIV型コラーゲンに関わる遺伝性の病態です。持続する血尿や尿たんぱくがあり、腎機能が低下する場合があります。感音性難聴や水晶体・網膜などの眼の変化を伴うこともありますが、すべての症状が揃うとは限りません。症状がなく検尿で見つかる場合もあり、経過や重症度は遺伝形式・遺伝子の変化などによって異なります。

原因

COL4A3・COL4A4・COL4A5などの遺伝子の変化により、IV型コラーゲンの構造や働きに問題が生じます。腎臓のろ過膜、内耳や眼への影響が症状に関わります。X染色体連鎖型、常染色体潜性(劣性)型、顕性(優性)型などがあり、家族に腎臓の病気がなくても否定できません。全員が成人になると腎不全になると決めつけず、本人の病型と検査の推移を確認します。

治療法

腎機能が保たれている時期から、尿の異常や病型などに応じて、ACE阻害薬・ARBなどの腎臓を保護する薬を用い、進行を抑える治療を検討します。尿・腎機能・血圧などを継続して確認し、難聴や眼の問題にも対応します。腎機能が大きく低下した場合は透析や腎移植を検討します。診断時から全員に透析・移植が必要というわけではありません。

血尿の原因と遺伝子検査の結果を確認

健診で血尿や尿たんぱくを指摘された場合は、症状がなくても精密検査を受けてください。尿・血液、家族の腎疾患や聴力の情報などを合わせ、遺伝学的検査を検討します。遺伝子検査はすべての変化を検出できるわけではなく、結果によって腎生検や別の病態の確認も検討します。陽性・陰性の意味と、次に調べることを説明してもらいましょう。

進行を抑える治療は、透析の前から相談

腎保護の薬を始める時期は、尿中アルブミン・たんぱく、遺伝形式、年齢などで異なります。血圧が高くない人でも検討する場合があります。自分が治療を始める根拠、尿と血液の検査で確認する効果、薬の副作用や増減の条件を聞きましょう。全員同じ薬・開始年齢・量と考えず、腎臓の専門医と決めます。

聴力と眼の検査を、本人の病型に合わせる

難聴や眼の変化がないことだけで病気を否定しません。聴力検査や眼科診察の開始時期・間隔は、遺伝形式や症状などに応じて相談します。聞き返しが増えた、学校で聞き取りにくい、見え方が変わる場合は伝えてください。必要な補聴器や視力への対応、学校・職場の配慮も相談します。

血尿が増える、飲めないときの連絡先を決める

発熱時に血尿が増えた、吐く・下痢で飲めない、尿が急に少ない、むくみが増す場合は担当医へ速やかに相談します。意識の異常、強い息苦しさ、急な胸痛などは119番です。病気のいつもの経過と決めつけず評価を受け、体調不良時の薬と飲水の扱いをあらかじめ確認しておきましょう。

食事・運動・通院を、生活に合う計画にする

病名だけで食事や運動を広く制限せず、腎機能・血圧・尿の異常と栄養状態に合わせて相談します。特に子どもは成長に必要な栄養を確保し、自己流でたんぱく質を減らしたり多くとったりしません。通院や聴力の配慮、進学・就職に合わせた成人診療への引き継ぎも担当者と準備しましょう。

家族の検査・妊娠・移植の相談は専門医へ

遺伝子の結果と遺伝形式に応じ、家族の尿・腎機能の評価や遺伝相談を検討します。子どもの遺伝子検査も目的と本人への説明を相談しましょう。妊娠を考える場合は、腎機能・血圧と薬を事前に確認します。家族が腎提供を考える場合は、症状が軽い・ないことだけで決めず、提供者自身の遺伝的・腎臓のリスクを移植の専門家と評価します。

参考資料

  1. アルポート症候群国際診療指針2024(2024年12月先行公開・2025年誌掲載):Q1・2・4・5・9・12–14・16–18・20–21、患者支援とBox3–4ERKNet・ERA・ESPN/Torraほか
  2. アルポート症候群・一般向け解説(2024年11月情報更新):病態・遺伝形式・治療と生活難病情報センター/小児腎領域研究班
  3. アルポート症候群:症状・腎保護治療、生活と妊娠の相談(臨床テキスト、画像表を除く)厚生労働科学研究費・小児腎領域の希少難治性疾患研究班
  4. 腎臓の検査:超音波・腎生検・腎機能の評価日本腎臓学会
  5. 患者さんとご家族のためのCKD療養ガイド2024(現行第4刷):水分・運動・多職種支援、食事と制限しすぎへの注意(冊子28・30–31・34–38ページ)日本腎臓学会
  6. 救急車利用リーフレット・成人版:急な呼吸困難・胸痛・意識障害・出血総務省消防庁
  7. 救急車利用マニュアル:こども(15歳以下)総務省消防庁
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