首のしこりや片耳の症状が続けば相談
首のしこり、繰り返す鼻血・血の混じる鼻水、片耳の聞こえにくさや詰まりが続く場合は耳鼻咽喉科に相談してください。突然の複視や神経症状は別の急病の可能性もあるため、速やかに医療機関へ連絡します。
概要
上咽頭がんは鼻の奥、のどの上部にできるがんです。早期は自覚症状がない場合もあります。首のしこり、鼻づまり・鼻血・血の混じる鼻水、片耳の詰まりや聞こえにくさがきっかけとなります。進行すると物が二重に見える、顔の感覚が鈍いなどの症状が出ることもあります。首や耳の症状だけで上咽頭がんとは限りませんが、続く場合は耳鼻咽喉科で相談してください。
原因
発症にはEBウイルスとの関連がある型と、喫煙や飲酒が関連する型があります。ただしEBウイルスに感染した人が必ず発症するわけではなく、特定の人の原因を一つに決めることはできません。日本で上咽頭がんを対象とする国の指針上の検診はありません。症状があれば検診を待たずに診察を受けます。医師は首や鼻の奥を診察し、鼻から入れる内視鏡で確かめます。疑わしい部位は組織を採って診断し、CT・MRIなどで広がりを調べます。
治療法
治療は病期や全身状態で決めます。Ⅰ期からⅣA期では放射線治療を中心に行い、Ⅱ期からⅣA期では薬物療法を併用する化学放射線療法が主に選ばれます。遠隔転移がある場合は薬物療法などを検討します。治療中は口やのどの炎症、食べにくさ、味覚の変化、口の乾きなどが起こり得ます。水分補給だけで必ず解消するわけではなく、痛み・栄養・口腔ケアについて医療チームに相談します。治療後しばらくしてからも、口の乾き、むし歯、飲み込みにくさ、耳の症状などが現れることがあり、継続的な口腔ケアと診察が大切です。
診断は内視鏡・生検から
首の診察と鼻からの内視鏡で上咽頭を観察します。がんが疑われれば組織を採取し、CT・MRIなどでリンパ節や周囲への広がりを調べます。成人で新たに片耳の滲出性中耳炎が起きた場合も鼻の奥の確認が必要になることがあります。
病期ごとに治療の組み合わせが違う
放射線が治療の中心ですが、Ⅱ期~ⅣA期では薬物療法を同時に行うことが多く、遠隔転移があれば薬物療法を検討します。がんの広がり、組織型、体の状態と本人の希望で治療計画を決めます。
治療中の食事・口の痛みを我慢しない
口内炎やのどの炎症、味覚の変化、口の乾きが食事を妨げる場合があります。痛み止め、食事の形の調整、栄養支援、歯科を含む口腔ケアを医療チームと相談します。水を飲むだけで十分とは限りません。
治療後も口・耳・飲み込みを確認
放射線治療から数カ月~数年後に、口の乾きに伴うむし歯、聴力の低下、飲み込みにくさ、口が開きにくいなどが生じる場合があります。症状を記録し、治療後の定期診察で伝え、口腔ケアを続けます。