薬をやめず、脱毛を処方医に伝える
抜け毛が増えたら薬の開始・変更日、脱毛の始まり、頭皮症状を伝えます。薬を自己判断で止めず、処方医や薬剤師に相談してください。
概要
薬物による脱毛症は、治療に使う薬の影響で頭髪や体毛が抜ける状態です。脱毛の範囲と始まる時期は薬の種類、量、本人の体質により異なります。がんの薬物療法では開始後1~3週間ごろから抜け始める場合がありますが、すべての薬で開始10日目に起こるわけではありません。眉やまつ毛にも影響することがあり、薬を使っていても別の病気や栄養状態が脱毛の原因となることがあります。
原因
一部の抗がん薬は活発に分裂する毛母細胞にも作用し、脱毛を起こします。ほかの薬でも脱毛が報告されますが、同じ薬を飲む人全員に起こるわけではありません。診察では開始・変更した薬と抜け毛の時期を照合し、頭皮の状態を確認します。甲状腺の病気、鉄欠乏、別の脱毛症などの可能性も必要に応じて調べ、薬を原因と即断しません。薬物による脱毛には回復するものもあり、すべてが不可逆的な毛根の障害ではありません。
治療法
気になる脱毛が始まったら処方医、薬剤師、皮膚科へ相談し、薬を自己判断で中止しないでください。原因薬の変更や量の調整が可能かは原疾患の治療目的を踏まえて決めます。がん薬物療法による脱毛の多くは治療終了後に再び生え始めますが、回復の時期や毛量には個人差があり、必ず元通りになるとは断定できません。帽子・ウィッグなどのアピアランスケアや頭皮の症状への対応を利用でき、必要に応じて頭皮冷却の適否を治療施設に尋ねます。発毛を確実に促すと宣伝する製品を自己判断で使わず、担当医に確認します。
開始時期は薬により違う
がん薬物療法による脱毛は一般に開始後1~3週間ごろからですが、すべての薬で起こるわけではありません。
薬以外の脱毛も区別する
頭皮の炎症や、甲状腺の病気、鉄欠乏、別の脱毛症でも毛が抜けます。薬歴と診察をもとに必要な検査を相談します。
多くは再び生えるが個人差がある
がん薬物療法を終えると多くの場合は再発毛します。数か月を要し、毛質・毛量が変わる場合もあります。回復が遅いときは担当医に相談します。
帽子・ウィッグと頭皮ケアを選べる
外見の変化がつらい場合はアピアランスケアを利用できます。頭皮冷却を行う施設もありますが、適応・費用・効果を担当チームに確認します。