概要
遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー病、HHT)は、鼻や口の粘膜・皮膚などに小さな異常血管ができ、鼻血を繰り返すことが多い遺伝性の病気です。鼻血は少量から重いものまでさまざまで、繰り返す出血は鉄欠乏性貧血の原因になります。肺、脳、肝臓などに動静脈奇形ができることもあり、症状が出る前に見つけることが重要です。突然の激しい頭痛や麻痺、息苦しさ、大量の出血があれば救急診療を受けてください。
原因
血管の形成に関わる遺伝子の変化によって起こり、親から子へ受け継がれることがあります。本人や家族に繰り返す鼻血がある、唇・口の中・指先などに赤い小さな血管拡張がある、内臓に動静脈奇形があるといった情報を合わせて診断します。必要に応じて遺伝子検査も行います。診断または疑いがある場合は、貧血の採血に加え、肺や脳などの血管病変を調べる方法を専門医と相談します。鼻血が目立たない家族、とくに子どもにも病変がある場合があります。
治療法
鼻血には鼻の粘膜を乾燥させない保湿などから始め、続く場合は専門医が薬やレーザーなどの局所治療を検討します。鉄欠乏があれば鉄の補充などを行います。肺の動静脈奇形には大きさや状態に応じてカテーテル治療を、脳の病変には専門チームでの個別評価を検討します。出血している部位だけを治療して終わりにせず、内臓病変と貧血の経過を確認し、家族の相談先についても医療者に尋ねてください。
鼻血以外に肺と脳の病変も確認
症状がなくても動静脈奇形が見つかる場合があります。診断後に必要な検査と時期を専門医と相談します。
家族歴と子どもの相談を忘れない
血縁者に繰り返す鼻血や診断例があれば医師に伝え、症状がない子どもの評価も相談します。