概要
シスチン尿症は、腎臓でシスチンなどのアミノ酸を十分に再吸収できず、尿中にシスチンが多く出る遺伝性の病態です。溶けにくいシスチンが結晶・結石になり、血尿や腰・脇腹の強い痛み、尿の通り道の閉塞や感染などを起こします。結石のない時期は症状がない場合もあります。結石を繰り返しやすいため、症状への治療と長期の予防・腎機能の確認が重要です。
原因
主にSLC3A1・SLC7A9などの遺伝子に関わるアミノ酸輸送の障害で、尿へ出るシスチンが増えます。尿中の濃度や酸性度などが結石形成に影響します。単なる飲水不足だけで起こる病態ではありません。家族について確認する必要がある場合は専門医と相談し、遺伝の形式や結石の見通しを、病名だけで一律に決めつけません。
治療法
結石の痛み、閉塞や感染があれば必要な治療を行い、結石の大きさ・位置や性質、腎機能などに応じて除去を検討します。再発予防では十分な尿量を保つ飲水、塩分への配慮、尿をアルカリ性にする薬などを組み合わせます。不十分な場合は追加の薬も検討し、副作用を確認します。飲水量を全員に毎日4リットルと固定せず、年齢や体の状態に合う目標を医師と決めます。
発熱を伴う痛みや尿が出ない場合は急いで受診
脇腹・腰の痛みに発熱や悪寒がある、尿が出ない、痛みや嘔吐が強く水分をとれない場合は、速やかに医療機関へ相談・受診してください。感染を伴う閉塞は緊急処置が必要になる場合があります。意識がおかしい、倒れる、強い息苦しさなどは119番です。大量の水だけで結石を流そうとせず評価を受けます。
結石分析と尿の検査を、予防へつなげる
取り出した結石の成分、尿中のシスチンや結晶、尿量と酸性度、血液で腎機能などを確認します。必要な画像で結石と閉塞を調べます。24時間尿を集める場合は、方法を確認しましょう。症状がないときの検査も、次の結石を防ぐ計画に役立ちます。
飲む量と、目指す尿量を区別する
予防は尿中のシスチンを薄めるため、尿量を保つことが中心です。必要な飲水は、汗をかく状況や年齢、心臓・腎臓の状態でも変わります。担当医と尿量の目標、日中と夜間の飲み方、確認する方法を決めてください。飲めない、むくむ、息苦しいなどの変化は、無理に量を増やさず相談します。
尿のアルカリ化と追加薬の役割を確認
アルカリ化する薬でシスチンを溶けやすくし、必要に応じて結石形成を抑える追加薬を検討します。尿の酸性度を家庭で測る指示がある場合は、目標と連絡する条件を確認してください。薬によって血液や尿たんぱくなどの確認も必要です。量を自分で調整したり、アルカリ食品で治療を置き換えたりしません。
減塩と栄養を両立させる
塩分を控えることを中心に、食事の内容を相談します。肉などの食べ方も確認しますが、特に子どもは成長に必要なたんぱく質と栄養を確保する必要があります。広く食品を除去する自己流の食事ではなく、医師や管理栄養士と実行できる内容を決めましょう。
結石がなくなっても再発と腎機能を確認
結石の除去で遺伝性の輸送障害そのものが治るわけではありません。再発予防を続け、画像・尿・腎機能などを確認します。治療の効果と負担を担当者と見直してください。きょうだいなど家族の検査を勧められる場合もあるため、対象と検査の目的を聞いておきましょう。