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家族性ポリポーシス

最終改定日:

概要

家族性ポリポーシスは、現在は主に家族性大腸腺腫症(FAP、家族性大腸ポリポーシス)と呼ぶ病気を指します。大腸に腺腫というポリープが多数でき、大腸がんの危険が非常に高くなります。古典型では腺腫が100個以上になることが多い一方、APC遺伝子に病的な変化がある減弱型では100個未満のこともあります。初めは症状がない場合があり、血便、腹痛、下痢が出るまで待ってはいけません。放置した古典型では、大腸がんの発生が40歳代で約半数、60歳頃までにほぼ全例に達すると報告されています。個人の経過をこの数字だけで予測することはできません。

原因

FAPは生まれつき持つAPC遺伝子の病的な変化が原因です。親から子へ受け継がれる場合と、新たに生じて家族歴がない場合があります。多数の腺腫があっても別の遺伝子による病気があり、ポリープ数だけでFAPと確定することはできません。国内の2024年診療指針は遺伝学的検査でFAPを診断するとしていますが、検査が未実施でも古典型に矛盾しない所見ならFAPに準じた監視や治療を行います。家族歴や血縁者への影響は遺伝診療の専門家と相談してください。

治療法

大腸内視鏡で腺腫の数・大きさ・変化を調べ、病理検査と必要に応じた遺伝学的検査を検討します。古典型では10歳を過ぎた頃から、減弱型では10歳代後半からの大腸内視鏡による監視が国内指針に示されています。大腸がん予防の確実な方法は、がん発生前の予防的大腸切除です。一方、手術をすぐに選ばない一部の患者では、専門施設で多数の腺腫を繰り返し切除する方法もあります。適応と長期的な管理を含めて専門医と決めます。手術後も残った直腸などの監視が必要です。胃・十二指腸や甲状腺の病変も起こり得るため、検査計画を立て、血縁者の相談先も確認します。

100個未満でも否定できない

古典型では100個以上のことが多いものの、減弱型FAPでは腺腫が少ない場合があります。個数だけで安心したり、FAPと決めたりせず、病理、家族歴、遺伝学的検査を専門医と検討します。

症状がなくても内視鏡を続ける

古典型は10歳を過ぎた頃、減弱型は10歳代後半から監視を始める目安が国内指針にあります。年齢や間隔は本人・家族の状況に合わせて決めます。

手術と内視鏡治療の位置づけ

予防的大腸切除が確実な大腸がん予防法です。内視鏡で多数を切除する方法は選ばれた患者で専門施設が行い、継続的な監視が必要です。

家族と大腸以外の臓器も確認

家族への説明と相談、胃・十二指腸や甲状腺などの検査も診療計画に含めます。手術後に残る直腸なども追跡します。

参考資料

  1. 遺伝性大腸癌診療ガイドライン2024年版 各論Ⅱ 家族性大腸腺腫症大腸癌研究会
  2. 遺伝性腫瘍:家族性大腸腺腫症国立がん研究センター がん情報サービス
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