概要
新生児呼吸窮迫症候群(RDS)は、主に早産児で肺胞を開いたままにする肺サーファクタントが不足し、出生直後から呼吸が難しくなる病気です。呼吸が速い、胸や肋骨の間がへこむ、息を吐くときにうなる、唇や皮膚の色が悪いなどがみられます。生後数時間で悪化することもあるため、自然に治まるまで待つ病気ではありません。新生児の呼吸が苦しそうなときは直ちに医療者に知らせてください。
原因
肺の未熟性によるサーファクタント不足が主な原因で、妊娠週数が短いほどリスクが高くなります。ただし新生児の速い呼吸がすべてRDSとは限らず、新生児一過性多呼吸、感染症、先天性の心肺疾患などとの区別が必要です。医療者は出生状況、呼吸の状態、酸素化、胸部X線または肺超音波などを合わせて判断します。早産が予想される場合、出生前に母体へステロイドを投与して赤ちゃんの肺の成熟を促すことがあります。
治療法
新生児集中治療室などで酸素化と呼吸を連続して見ながら治療します。自分で呼吸できる場合は経鼻持続陽圧呼吸(CPAP)などの非侵襲的な呼吸補助を優先し、必要な児には肺サーファクタントを補充します。可能な場合は細いカテーテルによる投与も選択肢です。呼吸状態が重いときは気管挿管や人工呼吸管理が必要になります。酸素や呼吸補助の強さ、合併症の監視、退院後の見通しは妊娠週数と経過によって異なるため、担当の新生児科チームに確認してください。
生まれた直後の呼吸障害は直ちに伝える
呼吸が速い・胸がへこむ・うなり声がある・色が悪い場合は、経過観察だけにせず医療者に知らせます。
速い呼吸の原因を区別する
RDS以外にも一過性多呼吸や感染などがあります。酸素化、画像、出生時の状況を合わせて判断します。
CPAPから必要な治療を選ぶ
自発呼吸がある児にはCPAPなどを使い、状態に応じてサーファクタントや人工呼吸を選びます。
経過と退院後の見通しを聞く
治療日数を一律に見積もれません。合併症の確認と呼吸補助の見通しを新生児科チームに尋ねます。