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肝不全

最終改定日:

概要

肝不全は、肝臓の物質をつくる・分解するなどの働きが大きく低下し、全身に影響が出る状態です。急に重い肝障害が起こる急性肝不全と、肝硬変などの経過で徐々に肝機能が失われる慢性的な肝不全があります。黄疸、腹水、出血しやすさ、むくみ、意識や行動の変化などが現れます。急に反応が鈍くなったり、意識がはっきりしなくなったりした場合は救急に相談してください。

原因

急性肝不全には薬剤・健康食品などによる肝障害、ウイルス性肝炎、自己免疫性肝炎など多様な原因があり、原因が特定できない場合もあります。慢性的な肝不全は、ウイルス性肝炎、アルコール関連肝疾患、脂肪性肝疾患などを背景に肝硬変が進んで起こることがあります。肝臓がんを伴う人もいますが、『肝臓がんから移行する』ことだけが典型ではありません。飲んでいる薬、健康食品、飲酒量、肝炎・肝硬変の既往を医療者へ伝えてください。

治療法

急性肝不全は入院下で原因と重症度を調べ、感染・出血・脳症などの合併症を監視して治療します。急速に悪化し得るため、必要に応じて早期に肝移植が可能な施設へ相談・搬送します。原因が薬剤なら原因薬への対応など、治療は原因ごとに異なります。慢性的な肝不全では肝障害の原因に対処し、腹水、肝性脳症、出血や栄養の問題を個別に治療します。内科的治療だけでは改善が難しい場合は肝移植の適否を専門施設で検討します。ステロイド薬やインターフェロンは肝不全の全員に用いる薬ではなく、安静や食事だけで急性肝不全を治せるものでもありません。

急な意識・行動の変化は救急へ

急性肝不全では肝性脳症などで意識が変化し、短時間で悪化する場合があります。呼びかけへの反応が鈍い、混乱する場合は救急に相談してください。

薬・健康食品・飲酒と肝炎歴を伝える

原因を調べるため、処方薬、市販薬、健康食品、飲酒、肝炎・肝硬変の既往を医療者に伝えます。自己判断で治療薬を変更せず相談してください。

移植施設への相談時期を逃さない

急性肝不全が疑われる場合は早い段階で肝移植が可能な施設への相談が重要です。慢性的な肝不全でも内科治療で改善が難しい場合は移植適応を検討します。

原因と合併症ごとに治療を選ぶ

ステロイド薬やインターフェロンを一律に用いるものではありません。原因疾患と腹水・脳症・出血などに応じて治療を組み立てます。

参考資料

  1. Defining and Managing Acute Liver FailureAmerican Association for the Study of Liver Diseases
  2. 患者さんとご家族のための肝硬変ガイド2023日本消化器病学会 / 日本肝臓学会
  3. Management of Acute Liver FailureAmerican Association for the Study of Liver Diseases
  4. 肝移植に関わる費用と医療費助成制度日本肝臓学会
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