概要
肩のインピンジメント症候群は、腕を上げる際に肩峰下の腱板や滑液包周囲に痛みが出る状態を指す言葉です。肩の前外側の痛み、頭上での作業や夜間の痛みがみられます。ただし「挟まる」機械的な説明だけで原因や治療を決めることはできません。腱板断裂、肩関節周囲炎、頸椎由来の痛みなども確認が必要です。
原因
肩峰下の腱板・滑液包周辺への反復負荷などが関係します。医師は痛みが出る動作、肩の可動域・筋力を診察し、必要に応じてX線、超音波やMRIを使い、完全な腱板断裂などを見分けます。画像に変化があるだけで痛みの原因が確定するわけではありません。
治療法
まず痛む動作の調整、鎮痛薬、肩の動きと筋力を回復する理学療法を検討します。痛みが強く運動を進めにくい場合は、感染などを除外したうえで注射を検討することもあります。完全な腱板断裂を伴わない慢性的な肩峰下痛に対する肩峰下除圧術は、偽手術と比べて痛みや機能に重要な改善を示さず、2025年公表の10年追跡試験でも上乗せ利益は示されませんでした。別の病態で手術が必要かは個別に判断します。
頭上の動作と夜の痛みが続く
痛みが続く、筋力が落ちる、けがの後に始まった場合は整形外科で原因を確認します。
腱板断裂などを見分ける
肩峰下の痛みだけで断裂の有無は分かりません。診察と必要な画像検査で区別します。
活動調整と理学療法から
頭上の負荷を減らし、動きを保ち筋力を戻す訓練を専門家と進めます。
除圧術を一律に勧めない
完全な腱板断裂のない慢性的な肩峰下痛では、除圧術の上乗せ利益は確認されていません。別の診断と治療選択を相談します。