高齢者の方の貧血に安易に鉄剤を投与するのはやめてほしい。長文で …

2009年02月02日 Q.質問
高齢者の方の貧血に安易に鉄剤を投与するのはやめてほしい。長文です。閉経前の女性の貧血であれば、生理出血による鉄欠乏性貧血の割合が高く、Fe(鉄)、TIBC(総鉄結合能)、フェリチン(貯蔵鉄)の血液検査を提出後、結果が出る前に鉄剤の投与を開始しても問題ないかと思います。閉経前の女性では、鉄欠乏性貧血と消化器癌との関連性も否定的です。しかし、男性や閉経後の女性では貧血に占める鉄欠乏性貧血の割合は低くなり、特に高齢者の方では、萎縮性胃炎によるビタミンB12不足(悪性貧血)食思不良、偏食による葉酸不足骨髄の病気の、加齢による骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫等膠原病などによる溶血性貧血慢性腎障害(CKD)による腎性貧血など様々な要因で貧血を起こし、鉄欠乏性貧血でも消化管出血(胃癌、大腸癌など含む)の可能性が高くなります。しかも、アルコール性肝障害やC型肝炎などの肝障害をもつ人では、鉄の負荷が肝障害の悪化、肝癌の発生をうながすとも言われています。それなのに、貧血=鉄剤投与とばかりに、鉄剤をはじめるのはやめてほしいのです。頻度が高いので、最初にFe、TIBC、フェリチンの血液検査を提出するのは良いのですが、フェリチンが100以上あり、鉄欠乏性貧血が否定された人に対しても鉄剤を投与開始継続するのはどうかと思います。血算で網状赤血球を調べて、鉄やビタミンの不足や骨髄の異常などによる造血の問題なのか、出血や溶血などによる赤血球の消費の問題なのかを鑑別。白血球分画を検査して、幼若な白血球があれば血液内科へ紹介。血算でMCVが100以上あれば、大球性貧血なので、ビタミンB12や葉酸を調べる。(ビタミンB12不足による痴呆を防ぐために、貧血がなくてもMCV高値ならばビタミンB12を調べる)総蛋白とアルブミンの量に解離があれば、血清蛋白の免疫電気泳動を調べる。クレアチニンが1.3以上あり、eGFRが40以下ならば腎性貧血を疑い、血中のエリスロポイエチン濃度が、貧血なのにほとんど増加していないことを確認する。GOTやLDHやCKが上がっていたら、溶血性貧血を疑い、血中のハプトグロビンが減っていないか確認する。高齢者の鉄欠乏性貧血では上下部の消化器の検査をおこなう。鉄剤を投与する前には、C肝がないか確認する。肝障害の方に鉄の補給がどうしても必要な時はごく少量にする。などは、外注検査を含めて是非やっていただきたいことです。こういったことの説明に、貧血鑑別の良いガイドラインはないでしょうか?
2009年02月16日 A.回答
このことに限らず、症状→対症療法(痛い→痛み止め といった類)といった考え方で、正しい診断が飛ばされている例がいかに多い事か。このカテゴリーの質問を見てもわかる通りです。

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