肺がん(小細胞がん)の治療(放射線、抗がん剤)4クールで終了し …

2011年05月23日 Q.質問
肺がん(小細胞がん)の治療(放射線、抗がん剤)4クールで終了して、3ヶ月経ちましたが、脳に小さな影が見られ、転移した様なのですが、放射線と抗がん剤の治療と言われたのですが…。脳に放射線って、癌の部分のみなのか?頭部全体に当てるのか?脳に抗がん剤は効きにくいとも聞きましたが…。どうなのでのしょうか?教えてください。
2011年05月25日 A.回答
腫瘍内科医です。小細胞癌は極初期のStageⅠ、病変が放射線治療可能な範囲(片側の胸郭、対側の縦隔LN・鎖骨上窩LNまで)に収まっている限局期(LD)、それを越えて広がっている進展期(ED)に分類されます。StageⅠは手術+術後化学療法、StageⅠ以外の限局期は放射線治療+化学療法(化学放射線療法、CRT)、進展期は化学療法が第一選択になります。文中の患者さん(主さんご自身の病気でしょうか?)の場合、限局期でシスプラチン+エトポシド併用療法(PE療法)を3-4週間おきに4コース、そのうち1コースは放射線治療と同時進行で行うという治療法を採られたものと思います。小細胞癌限局期の標準的な治療法であり、3ヶ月無増悪で経過していることからも効果があったといえると思います。小細胞癌に限らず肺癌は脳に転移しやすい性質があります。血流に乗った癌細胞は心臓に向かい、心臓から最も近い動脈は脳に向かう頚動脈だからです。そのため、放射線感受性が比較的良好な小細胞癌では、CRTで癌が消失したら、頭に病変がなくとも予防的に脳全体に放射線治療を行います。これにより脳転移が半分以下(41%→16%)まで減ります。CRT終了後3ヶ月何もしていないのなら、CRTで癌は消滅しなかったのでしょうか。その場合は癌が大きくなる兆候を見せなければ大きくなるまで治療をしない、という戦略はありえます。大きくなり出したら再び化学療法を始めるわけです。脳には抗癌剤が行き渡らないため、脳転移の治療法は手術か放射線治療です。小細胞癌の場合は放射線感受性が良いのと、手術による制御は難しい事から、放射線治療が行われます。この場合は脳全体に放射線を当てます(全脳照射)。CTで描出可能な大きさの病巣にだけ放射線を当てても、微小な癌細胞が脳脊髄液中に漂っているため、またすぐに再発してくるからです。うまく治療が進むと良いですね。お大事にどうぞ。

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